「どこでも認知リハ」についてのご説明です。

認知リハビリテーションは,通常,病院内で実施されます。しかし,専門の病院までの距離が遠かったり,1週間のうち何度も病院へ通うことが負担だったり,医療制度の関係から,長期間のリハビリテーションが難しかったりなどの問題が生じる場合があります。

この「どこでも認知リハ」は,認知リハビリテーションを“いつでも,どこでも,好きな時に”に実施できるシステムの開発を目的として,科学研究費(平成18年度~20年度,課題番号18730454,研究課題名『高次脳機能障害のための配信型認知リハビリテーションの開発と評価に向けて』,平成21年度~,課題番号21700563,研究課題名『神経心理学と臨床心理学に基づいた配信型認知リハビリテーション環境の展開と拡充』,平成28年度~,課題番号16K04411,研究課題名『認知リハビリテーション時の動機づけ低下の解明と動機づけ向上を目指した手法の開発』)の補助を受け,公開されたホームページです。

研究の責任者は,長崎県立大学地域創造学部公共政策学科教授の橋本優花里です。臨床現場では,ご本人やご家族から「家でも何かしたのですが,何をしたらいいのかわかりません」とか,「宿題を出していただけると助かるのですが」と言った意見を聞くことがあります。そのような,ご本人やご家族のニーズに応えるためにも,このホームページは開設されました。サイト内の個人用リハビリテーションシステムについては,近畿大学工学部情報システム工学科教授 徐 丙鉄先生と,先生の研究室である情報物理研究室のメンバーの協力を受けています。

高次脳機能障害の症状が多彩であることから,全ての人の症状にたいして効果的なリハビリテーションの方法を提供するのは難しいのですが,それでも,これまでの研究成果などを踏まえながら,より良い内容を検討していきたいと考えています。このホームページは,まだまだ発展途上です。利用者の皆様のご意見を取り入れながら日々成長していきたいと考えていますので,ご意見ご質問等をお寄せいただければ幸いです。

なお,効果的なリハビリテーションには,まず,的確な評価を受け,何ができて何ができないかをしっかり把握することが重要です。ですから,最寄りの専門の医療機関にご相談の上,本ホームページをご利用なさることをお勧めいたします。